2横綱欠場で鶴竜も負傷中…荒れる春場所で得するのは誰?
3月場所は「荒れる春場所」と呼ばれ、波乱が起きやすいと言われている。今場所は白鵬、稀勢の里の2横綱が休場。鶴竜も右手薬指など3本の指を痛めており、横綱全員欠場を防ぐための強行出場ともっぱらだ。
こうなると、予想されるのが大混戦。評論家の中澤潔氏は場所前、こう話していた。
「優勝候補筆頭は先場所優勝した関脇の栃ノ心でしょう。稽古中に痛めた左足の状態は気掛かりですが、それでも栃ノ心を苦しめそうな力士が見当たらないのです。強いていえば先場所10勝5敗の逸ノ城くらいですが、まだ優勝のかかった一番で勝ちきれるような相撲ではありません。こういうときだからこそ大関の高安や豪栄道、それに琴奨菊を含めた日本人力士が力を発揮してしかるべきなのに、最近の彼らの相撲には覇気がない。地位に安閑として、いい相撲を取れる状態にありません。稽古も不足しています」
その言葉通り、栃ノ心、逸ノ城は危なげなく快勝。
一方、高安は遠藤に、豪栄道は玉鷲にと、日本人大関2人は揃って黒星発進となった。鶴竜は痛めている右手でまわしを取って千代大龍を下したとはいえ、15日間、取りきれるかは甚だ疑問である。
波乱どころか、順当な結末に落ち着くかもしれない。