監督解任を「金本野球の継承」で隠す阪神のお偉い方に問う
それを、「金本野球の継承」だなんて建前を持ち出し、本音と真相を覆い隠そうとするから、いろいろと舞台裏を詮索される。
■矢野新監督にとっても迷惑千万
ごまかし、詭弁など必要ない。金本監督がやってきたことを引き継ぐのなら、そのまま指揮を執らせればいい。辞める必要、辞めさせる必要がどこにあるのか。
矢野新監督に対しても失礼な話だ。大体、「金本野球」とは何なのか。勝ちながら若手を育てる? そんなものは12球団のどの監督にも課された命題である。矢野新監督には矢野新監督の考え、戦略がある。前任者の野球の継承なんて言われたら、迷惑千万。球団は、目指すべき方向性を共有したら、その方法論は任せます、やりたいようにやってください、そのためのバックアップは惜しみません、というのが筋だろう。そして、意見の相違が大きくなったり、期待するような結果が出なかったりすれば、金本監督と同じように解任でも何でもすればいい。それが本来のあり方だ。
そもそも、阪神は球団としてどんなチームをつくり、そのために監督に何を求めているのか、肝心のそういった長期的展望を持っているのだろうか。ないから、今回のような醜態を演じてしまうのではないか。いや、阪神だけではない。監督交代を決めた巨人、中日のお偉方にも、同じように問いかけてみたい。