新谷仁美直撃<3>代表入りで満足していたら世界で戦えない

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代表になっただけ

 ――日本の実業団選手は恵まれていますね。

「選手としてはありがたいことです。五輪や世界陸上の代表になれば、盛大なパーティーや壮行会も行っていただける。でも、それで勘違いする選手もいる。日本代表として日の丸をつければ誇りを持ち、結果を出さなければなりません。代表になっただけで満足していれば、世界で戦うことは無理かなと」

 ――2018年に亡くなったプロ野球星野仙一元監督もよく言ってましたね。「プロ野球選手になっただけで満足してしまうヤツが多い」と。でも、五輪に出ただけでも、引退後は食べていけるんじゃないですか?

「オリンピアンだけでは無理ですよ。現実を言えば、日本記録ぐらい出して、美人かイケメンなら生きていけますね(笑い)」

 ――確かに、テレビの世界では、ルックスがよくて、そこそこしゃべれる元アスリートが多いですね。競技の解説ではなく、タレントとしてバラエティー番組によく出ている。

「それもひとつの生き方だし、顔がいいことだって武器だと思います。中途半端に生かすのではなく、ハングリー精神をもって、嫌われてもいいから、とことん自分の武器で生きていくことはカッコいいですよ。私は顔で生きていくことはできないので、走りで結果を求めていきます」=つづく

(聞き手=塙雄一/日刊ゲンダイ

▽にいや・ひとみ 1988年2月26日、岡山県出身。興譲館高では3年連続全国駅伝出場。3年連続1区の区間賞獲得。2005年全国優勝。同年全国都道府県対抗女子駅伝1区区間賞、インターハイ3000メートル優勝、世界ユース3000メートル銅。07年東京マラソン優勝。12年ロンドン五輪5000メートル、1万メートル代表。11年世界陸上テグ大会5000メートル13位、13年モスクワ大会1万メートル5位、19年ドーハ大会1万メートル11位。右足故障悪化で14年1月引退、18年現役復帰。19年全国都道府県対抗女子駅伝の東京アンカー(9区)として7人抜きで区間賞。20年同大会も9区同賞。1月米ヒューストンのハーフマラソンで1時間6分38秒の日本新記録樹立。東京五輪5000メートル、1万メートル参加標準記録突破。積水化学所属。166センチ、43キロ。

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