スポーツ外交で説得する使命…プーチンが「敬意の念を抱く適任者」が日本にいる
一方、プーチンも喧嘩に明け暮れた少年時代に柔道に出会い、日本の柔道を知る指導者から、ただ強くなるだけでない柔道の心を知ったという。プーチンは2000年に講道館を訪れ、「柔道を通じて日本人の心や考え方や文化が、世界に広まっていくことを望んでいます」と本気で語っている。05年にはプーチン自ら山下氏をロシアに招き、子どもたちに柔道を教えている。プーチンが山下氏に抱く敬意の念に疑問の余地はない。
■ウクライナ侵攻で決別を表明したが
昨年4月、山下氏はロシアのウクライナ侵攻について「柔道の精神、目的に完全に反するものです。まったく容認することはできません」とプーチン非難し、プーチンとの決別を表明したが、それはウクライナ戦争終結に何の助けにもならない。国際オリンピック委員会(IOC)委員であり、JOC会長でもある立場から行動を起こすべきである。それが自らスポーツを通して築いてきた国際交流の道をつなぐものになる。
プーチンが学んだという柔道精神とは何か? それは「自他共栄」であるはず。