細川康夫と加津子は4年前に離婚し、今は康夫が16歳の娘・宏枝と、加津子が小学6年の朋哉と暮らしている。普段は連絡を取り合わないのがルールだが、年に1度の「離婚記念日」だけは別だ。
ところが離婚記念日が近づいたある日、康夫は出世争いに敗れ、編集プロダクションに勤める加津子は作家の原稿を紛失と、トラブルに見舞われる。そんな康夫に社内の20歳の女性が、加津子には28歳の青年が近づいてくる。
人の顔色を読むことにかけては天才的な宏枝は父親の異変を察知。弟・朋哉と協力して、両親の“恋人”の正体を探ることにしたのだが……。
家族の再生を描く長編小説。
(徳間書店 720円+税)