「道ならぬ恋の系譜学」ヨコタ村上孝之著

公開日: 更新日:

「道ならぬ恋の系譜学」ヨコタ村上孝之著

 近親相姦は絶対的なタブーではあるが、隣接するグレーゾーン的な恋愛は古今、幾多も伝わる。

「やってしまうと後ろ指をさされるが、身の破滅というわけではない、居直ってしまう人もいる」

 そんな境界線上の恋愛事例を文学作品や作家の行動から取り上げ分析。それがどのような結末に及び、なぜその関係は部分的に禁じられ、または部分的に許されたのか。その社会的・文化的意味を考察したテキスト。

 法律的に婚姻は許されないが、セックスは禁じられているわけではない姪を妊娠させた島崎藤村の苦悩をはじめ、最初の妻・千代を友人の佐藤春夫に関係者合意のもと譲り渡して世間から糾弾された文豪・谷崎潤一郎など。7つの道ならぬ恋の様相をたどる。

(平凡社 1210円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・菅野智之 完全復活の裏に「格の落ちる相手投手」にぶつける阿部監督の心遣い

  2. 2

    ジャンポケ斉藤慎二に付ける薬なし…2度目の不倫発覚に「女性を消耗品扱い」と識者バッサリ

  3. 3

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  4. 4

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 5

    自民ベテラン“ドサクサ駆け込み世襲”に批判続出!桜田義孝元五輪相は長男内定まさかの失敗

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 8

    石破首相「裏切り解散→10.27総選挙」で国民の恨みを買う!学校行事と“丸かぶり”投開票日に批判殺到

  4. 9

    「不倫報道2連発」ジャンポケ斉藤“復活”のカギは? とにかく明るい安村の泥臭さか、有吉弘行のいじりか

  5. 10

    書類送検されたジャンポケ斉藤慎二の「病的な女癖」…仕事中に20代女性に性的暴行の“異常性”