心に刺さる…「決算!忠臣蔵」堤真一の“管理職”赤穂浪士
もともと江戸時代の藩の運営は、現代の会社の経営そのもので、予算の計上・実行、リストラ、コスト管理が藩主と藩士によって、自治体や企業と同じような経済活動が日常的に行われていた。
そんな中での幕府による藩の取り潰しは、会社を強制的に解散、清算するようなもの。潰された藩は、どのように経済的に整理されたのか? 禄を失い、生活苦が襲ってくる藩士たちに退職金などは支払われたのか? その後の藩内の生活は? などなど、映画は“整理”される藩の実情を面白おかしく、しかも綿密に描き、その中で内蔵助は“吉良邸討ち入り”という一大プロジェクトを立案し、成功させるためにどのような財務計画を立て、資金繰りをしたのかを追っていく。
■現代の貨幣単位に換算しテロップで
「忠臣蔵」をお金の面から面白おかしく映し出している“経済時代劇コメディー映画”には、主演の堤や、時代劇初挑戦の岡村、さらに妻夫木聡、千葉雄大などバリエーションに富んだ豪華俳優陣が参戦。
岡村は“お笑い”のイメージを完全に封印し、冷静で地味なうえ、冗談のひとつも言えない実直な勘定方を、抑えた演技で見せている。口癖は「そんな予算、ありまへんで!」。