片耳が聞こえなくなった…急性難聴は重大病の危険信号だ
滲出性中耳炎は、中耳にある耳管の働きが落ちて中耳腔の圧力が外部よりも低くなる陰圧状態が続き、中耳粘膜から滲出してきた液が中耳にたまって聴覚に障害を起こす疾患だ。難聴の他に、耳の閉塞感といった症状が出る。耳管の働きが未熟な乳幼児や、耳管が衰え始める中高年によく見られるという。
「成人の場合は、アレルギー性鼻炎、急性鼻炎、副鼻腔炎にかかった後、中耳腔に細菌が感染して発症するケースも多い。まれに上咽頭がんの初発症状の場合もあるので、甘く見てはいけません」
年をとると、痛みを感じづらくなって徐々に左右の聴力が落ちていくので、老人性難聴と診断されてがんが見過ごされることもあるから気を付けたい。鼻炎やがんなどの疾患が原因で難聴が起こっている場合は原因疾患の治療を行う。中耳の衰えが原因なら、滲出液を排液する鼓膜切開手術が必要になるという。
■上咽頭がん、脳腫瘍の可能性も
外リンパ瘻も、急な難聴を引き起こす。重い物を持ち上げる、鼻を強くかむ、スキューバダイビングで海に潜るなどした際、中耳圧や脳脊髄圧が急激に上昇し、外リンパ液が内耳から鼓膜腔に漏れて平衡感覚や聴力に障害が起こる。