【多汗症手術】 NTT東日本関東病院ペインクリニック科(東京・五反田)
左右の脇を同時にやって所要時間は1時間~1時間30分。術前検査を外来で行えば1泊2日の入院で済む。この治療を行うと、手のひらや顔の発汗を劇的に減らすことができ、多くの場合(75%)でその効果が生涯持続するという。
ただし、ETSを受ければ“100%バラ色”というわけではない。この手術には、必ず「代償性発汗」という副作用を伴うからだ。
「手のひらや顔の多汗は治りますが、体全体の発汗量は変わらないので、その分、胸や背中、お尻、太ももなどの発汗が増える代償性発汗が大なり小なり起こります。それを後悔する方がいるので、安易に手術は行いません。他に治療法がなく、この治療法を十分理解して強く希望する患者さんのみに検討する、最終的な多汗症治療になります」
ETSは本来、交感神経を切断する治療法だが、同科では2004年から神経を切らずにクリップを外せば元に戻るクリップ法を本格的に導入。クリップ法は世界的には主流だが、コスト高などから国内では行う施設が少ない。これも代償性発汗に対する配慮で、特別な理由がない限りETSはクリップ法で行っている。