軽症ならほぼ完治なのに 「ケロイド治療」意外な落とし穴
医師の間でも認知度が低い今、適切な治療を受けるには、患者もポイントを押さえておかなくてはならない。
まず、治療は早い段階で検討すべき。肥厚性瘢痕とケロイドは、連続的な関係にある。いくつかの因子が加わることで、小さな傷痕が重症ケロイドに至るケースは珍しくない。
■一気に悪化の恐れも
「因子とは、『肩、腕、膝などよく動く場所に傷痕がある』『高血圧』『妊娠などで女性ホルモンの影響を強く受ける』など。これらは、重症ケロイドの人に見られることがあります」
60歳になるまで傷はきれいに治っていた。しかしその後、高血圧や心筋梗塞を発症して心臓の手術を受けたことで、一気に重症のケロイドが胸にできた。こういうケースは少なくない。
「軽症の段階で治療を受けていれば、貼り薬など簡単な治療で済みます。大きくなるまで放っておいたために、全身麻酔の手術になることも。特に、妊娠を考えている女性は、将来のリスクを考えて早い治療を勧めます」
痛みやかゆみ、見た目の悪さなどを訴えて来院する患者が多いが、その前に手を打つことも考えたほうがいいのだ。