元ラグビーA日本代表・酒井宏之さん(43)精巣がん

公開日: 更新日:

 ところが、僕のがんは転移はしてないけど悪性。急を要するもので、術後の抗がん剤治療もマストとのことでした。結局、「腰のヘルニア」ということにして、急きょ舞台を降板しました。実は、こうやって人前で話すのも今回が初めてなんです。

 手術中は、亡くなった生沼とひたすら走る夢を見ました。彼が「つらいっすね」と言いながら一緒に走ってくれる。まるで、僕を励ましてくれるような夢でした。きっとヤツが助けてくれたんだと思います。

■35~36歳は試練の時期

 それより、大変だったのは術後です。16日1クールで計3回の抗がん剤投与がキツかった。当時は「筋肉番付」などのアスリート番組に出演していたので、入院中に体を絞ろうと筋トレの器具を持ち込んだものの、まったく無理!

 とにかく気持ち悪くて、トイレの便器に向かって吐くか、病室の天井を見てるかだけでした。寝ると怖い夢ばかり。ニオイに敏感になり、病院の食器のニオイもダメ。ずっと二日酔いが抜けないような状態で、体温調節もできず、夏場なのに寒くて仕方がなかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド