【顎口腔外傷】東京西徳洲会病院・歯科口腔外科(昭島市)
顎口腔外傷は、初期治療が非常に重要になるという。それによって、その後の手術の困難さや治り具合が違ってくるからだ。同科は、特に顎関節の骨折など咀嚼のカナメとなる顎や噛み合わせ部分の手術を得意とする。
顎の中央と両側の顎関節が折れている症例では、通常、手術に3~4時間要するが、同科は1時間半ほどでやってのける。しかも、出血も少量で抑えられるという。
「口腔内は細菌が多く感染しやすいので、手術は腫れがひいてから(1週間後くらい)行います。その前に、初期治療で骨折した部分を針金などで元に近い状態に的確に固定しておくと、手術時に整復しやすくなります。このような治療に慣れている施設は全国的にも少ないのです」
歯が折れていれば、顎が治った後にインプラント(自費)を使って短期間で修復する。1回法インプラントを使用するので、その場で仮歯が入れられ、2カ月で本歯が入る。骨折した顎にインプラントを入れるのも経験豊富な施設でないと難しいという。
これらの一連の治療がうまくいかず、少しでも噛み合わせにズレがあれば、咀嚼の異常、肩こり、腕が上がらないなどの後遺症が出る。それだけ緻密で正確な治療が求められるのだ。