【心房中隔欠損症】東邦大学医療センター 大橋病院・循環器内科
「息切れ、動悸、疲れやすいなどの心不全症状が出たり、心エコー検査で右心室の拡大が始まったらカテーテル治療の対象になります。適応基準に年齢制限はなく、体重が15キロ以上、高齢者でも受けられます。ただし、穴の位置が通常と違う場所にあったり、器具を挟む部分が少ない症例では適応外です」
現在、国内のASDの年間治療数は外科手術が約1300例で、カテーテル治療は約1100例。外科手術となると、全身麻酔で人工心肺を使い心臓に直接メスを入れるので、どうしても手術関連死(年間2~3人)や合併症のリスクは高くなる。
■8割以上が症状改善・完治可能
一方、いま国内でカテーテル治療ができる認定施設は60病院あり、2005年からの全約8000例の治療関連死はゼロ。主な合併症の発生率は、器具が大動脈にこすれて出血する「侵食」(緊急手術が必要)が0・2%前後。器具が外れる「脱落」が0.4%という。
「当科の2010年からの実施数は150例。改善率は、画像上で心臓の拡大が改善するのは全例、8割の患者さんは症状が改善します。25歳以下の患者さんの場合では、完治も期待できます」