【反回神経麻痺】東邦大学医療センター大森病院・耳鼻咽喉科(東京都大田区)
両術式をマスターする医師は、国内では20~30人しかいないという。
手術時間は、披裂軟骨内転術が1時間半、甲状軟骨形成術が1時間で、縫合に30分ほど。術後はできるだけ筆談で過ごし1週間後に抜糸して退院。退院後は声を出してもいいが、手術による喉の腫れが完全に治まるまで3カ月くらいかかる。合併症は、術後の喉の腫れがひどい場合には気管切開が必要になるが、同科では過去約100例中1例だけだという。
「手術をすれば、少なくとも元の声の状態の8割くらいまでに改善させることができます。また声帯が動かないことで、食べ物が気管に入ってむせ込んでしまう嚥下障害も、みなさんとても良くなっています」
■データ
1925年、帝国女子医学専門学校付属病院として開院。
◆スタッフ数=常勤医師12人
◆年間初診患者数(2016年)=3189人(うち反回神経麻痺の患者数=約60人)
◆反回神経麻痺の年間手術件数=20~30件