人工骨はもう必要なしに? 「歯科インプラント」最新事情
もうひとつは、インプラントを埋め込むために十分な骨の高さがない場合に用いられるGBR法(骨再生誘導法)だ。骨の少ない箇所をメンブレンと呼ばれる特殊な膜で覆い、内側に人工の骨補填剤を混ぜたものを置く。すると人工骨の周りに骨芽細胞が集まり、数カ月で新生骨が出来上がるという。
「インプラントを埋め込む歯槽骨の高さが足りない場合は、『ソケットリフト』というやり方もあります。サイナスリフトのように横から骨補填材を入れるのではなく、下から押し上げ骨の高さを確保します」
■自力で骨を太らせ埋め込みが可能に
他にもさまざまな方法があるが、骨造成には人工骨が使われるのが一般的で、腫れや痛みが伴うことがあるという。
「人間にとって人工骨は異物です。手術で敏感な骨の中に埋め込むことで炎症が起き、痛みや腫れが出るのです。時には細菌などによる、治癒しにくい厄介な骨の感染症を起こすことがあります」
実際、木村院長のクリニックには、他院でインプラント治療前の骨造成部分が感染して、顔がおたふく風邪のように腫れ上がった女性患者が駆け込んできたこともあったという。