憧れの日焼け肌もOK 米国で開発された皮膚がん予防の新薬
今回発見されたのは、酵素の一種「塩誘導性キナーゼ」を抑制する物質を投与すると、メラニン細胞に直接働きかけて色素を発生させる仕組みです。その結果、自然な日焼け肌が得られ、その効果は約1週間続くといいます。
これまでも、日焼けを演出するクリームやスプレーは市販されていましたが、あくまで表面的な色の変化をもたらすのみでした。メラニン色素自体を増やす働きはなかったため、今回の発見は大きな快挙です。
しかし、研究の本来の目的は美しい日焼け肌をつくることではありません。肌にメラニン色素が多ければ多いほど、有害な紫外線から肌を守ることができます。その効果を利用して、皮膚がんのリスクを下げようというのが狙いです。フィッシャー医師は「今後の臨床研究により、近い将来、人間の肌に最も適した薬の市販にこぎ着けたい」とコメントしています。