くしゃみでちょい漏れ…腹圧性尿失禁の治療に変化あり
TOT手術よりTVT手術の方が良い、とはっきりとした結論が出たわけではない。最も大きなネックになっているのは、TVT手術には合併症のリスクがあることだ。腸管損傷などを起こせばせっかく入れたテープを取り除かなければならないだけでなく、最悪の場合、人工肛門で半年ほど生活しなければならなくなる。めったにないこととはいえ、良性の疾患でこの合併症は決して軽視できない。
「比較的若い人、スポーツをしたい人などはTVT手術の方が良いかもしれません。私はTVT、TOT両手術のメリット、デメリットを伝えたうえで、最終的には患者さんに決定していただくようにしています」
手術を受けるなら、双方の術式の経験を数多く積んでいる泌尿器科医に意見を聞いた方がいいかもしれない。
■異なる治療法も
腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁とでは治療法が異なる。手術の選択肢もある腹圧性尿失禁に対し、切迫性尿失禁は生活指導と薬物治療が中心。混合性尿失禁では、症状が強く出ている方から治療を始める。