関東以外の私立医科大学 付属病院数は関東の半分
一見して付属病院が少ないことに気づきます。関東では、3ないし4カ所の付属病院を持っているのが当たり前。しかしその他の地域では、関西医大を除いて2病院まで。愛知医科大学は1病院しか持っていません。
それだけでなく、病床数もかなり少なめです。関東で最少の聖マリ医大(神奈川県)でも1812床、最大の埼玉医大(埼玉県)は実に2641床を保有し、7大学の平均は2231床でした。ところが〈表〉の6大学の平均は1198床。関東と比べて半分しかありません。そのなかで川崎医大だけが、関東と互角の規模を持っています。
これは医科大学のみに言えることではなく、私立総合大学の医学部でも見られる傾向です。たとえば順天堂大学(東京都)は6病院3126床を有していますし、昭和大学(同)は7病院2736床などとなっています。ところがその他の地域では、近畿大学(大阪府)が3病院1757床、医療系の総合大学である藤田保健衛生大学(愛知県)でも、3病院1931床にとどまっています。
関東の私立医科大学は、多数の付属病院を展開することで収益を確保しています。しかしその他の地域では、異なる経営戦略を展開していると思われるのです。