葛飾vs千代田 景気と平均所得・平均寿命格差の関係
一方、千代田区は00年から05年にかけては1・8歳も延ばしたものの、05年から10年の5年間の延びはペースダウン。また渋谷区は05年から10年にかけて、完全に停滞しています。足立区、葛飾区、北区など低所得区では、平均年収は景気の変動を受けにくく、緩やかにしか変化しません。にもかかわらず、平均寿命は着実に延び続けているのです。ところが港区、千代田区、渋谷区といった高所得区は、年収も寿命も景気の影響をもろに受けています。つまり、景気上昇局面では収入格差も寿命格差も広がり、景気が後退すると両格差とも縮小されるのです。
もちろん、各年の平均寿命を比べれば、高所得区のほうが1~2歳長くなっているので、その意味で所得と寿命は関係しているといえるかもしれません。しかし高所得区の住民の健康は、景気に左右されている可能性があります。それが幸福かどうかは、各人の価値観によります。