【動画あり】NHKでも紹介 “魔法のリング”で足の負担が軽減
靴下の上からリング状のシリコーンをはめるだけで足の負担を軽減し、姿勢改善や転倒防止に効果があるという「ヤノリング」。開発したのはカイロプラクティック施術でこれまでに12万人の体を診てきた矢野宏一氏だ。昨年、NHKのニュース「おはよう日本」で紹介されたこともあり、飛ぶように売れている。完成までに4年半を要したというヤノリングの開発秘話を紹介する。
これまで足のアーチというと、土踏まずを維持しようとする「縦のアーチ」ばかりが注目されてきたが、ヤノリングは横のアーチに注目した点が特色だという。
中足骨という、足の甲あたりにある骨の間に筋肉がある。これが弱ると、横アーチはへたってしまう。そのため、現代人の多くはかかと荷重になり、指先が浮いた状態になっているそうだ。ヤノリングはこの部分にリング状のシリコーンを“タガ”のようにはめて、横アーチをサポートする。
「シリコーンは伸縮するため、ただサポートするだけでなく、足を動かすたびにこの部分の筋肉を動かします」と矢野氏。
こうして筋肉も鍛え、横アーチを強化していくことで、かかと荷重が解消されて安定が良くなり、姿勢改善や転倒防止にもつながる。ふらつきにくくなり、長時間立っていても疲れにくくなるという。
■母親の転倒が開発のきっかけに
ヤノリング開発のきっかけは5年ほど前、当時79歳だった矢野氏の母親が家の中で転倒し、骨折したことだった。矢野氏は「腰が曲がり、足を上げにくくなっていたのが母の転倒の原因でした」と語る。体のバランスが良くなって腰が伸びれば、足が上がるようになる。カイロプラクティックの施術を通じて、長年多くの人の体を診てきた矢野氏が、「横アーチ」という根本の原因にたどりつくのに、そう時間はかからなかった。
実は、ヤノリングの効果は横アーチのサポートと強化だけにとどまらないというから驚く。シリコーンリングの幅が一定でなく、「ハート形」を描くような波形となっていることに、その秘密が隠されている。
全身の筋肉は、筋膜という薄い膜で覆われている。足裏は全ての筋膜のつながる出発点に当たるといい、ハート形の突起が足裏の筋膜に刺激を与えることで、足の筋肉を正しく使って立てるようになる。それによって前後左右のバランスが整い、重心の安定につながるという。“ハート形”というのがポイントで、この形状を考案し、製品化するまでに4年半かかったそうだ。
装着するとすぐに安定感を実感できるが、1カ月程度、外出時などに使用を続けると、横アーチが安定してより効果が増すという。姿勢改善、転倒防止、腰痛、肩こり改善にとどまらず、スポーツをする人からは「ゴルフのスコアが上がった」「ランニングフォームが良くなった」といった声も寄せられている。
記者が試しに装着したヤノリングの詳しい様子は動画で見ることもできる。
(取材・文 五嶋正風)
【動画】「ヤノリング」を試してみた