<1>目に見えて効果が上がるのは「高血圧」?
人生には歌がある――。テレビ番組のタイトルではないが、歌といえばカラオケである。
近年、カラオケ装置を設ける老人ホームが相次ぎ、入居者たちが余暇時間を楽しむという生活が、随分と増えてきた。
規則に縛られた集団生活者の息抜き、または、ストレス解消にも効果があるというカラオケを、早くから医療現場に導入している病院がある。
埼玉県越谷市にある「南越谷健身会クリニック」(周東寛院長)だ。病院の3階に「健康ひろばメディカルヘルス倶楽部」を設け、週に4回カラオケ教室を開いている。
カラオケ専門店も顔負けの高性能スピーカーを導入し、参加者は外来や近隣住民の中高年男女たち。
歌の指導者は、自らも歌好きという周東寛院長である。
「私は医師になった年、歌の大会に参加して優勝したほどの歌の実力者(笑い)。作詞、作曲もやりますし、今のようにカラオケがポピュラーではなかった40年も前から歌と健康に注目し、医学的分野から研究を続けてきました」