<4>動脈系の血栓症でも非O型より若干有利
動脈系の血栓は、動脈硬化、高脂血症、高血圧などの影響が大きいため、必ずしも血液自体の固まりやすさだけでは決まりません。しかしそれでも、O型のほうが非O型よりも若干有利になっているのです。
前回紹介した、デンマークとスウェーデンにおける100万人以上の献血者を25年間にわたって追跡調査した研究によれば、心筋梗塞の発症リスクは、非O型がO型の1・10倍、脳梗塞では1・07倍となっています。この数字だけ見ると、さほど差はないと言えそうです。しかし論文には「その他の動脈血栓症(動脈閉塞症)のリスクは1・55倍」とも書かれています。
「その他」はイメージしにくいかもしれませんが、動脈系の血栓は、別に脳と心臓の専売特許ではありません。動脈硬化は全身性ですし、当然コレステロールも脂肪も、どこの動脈の内壁にもこびりつくため、あちこちで詰まってしまうのです。
足の動脈が詰まれば「下肢動脈閉塞症」、腎臓で生じれば「腎動脈閉塞症」といった具合です。これらのリスクが、非O型でかなり高めになっているのです。