注射は必要なし 経鼻インフルエンザ生ワクチンの基礎知識
■英国、カナダ、米国で推奨
ここまで聞くと、いいことずくめのように思えるフルミストだが、注意点もある。①国が認めたワクチンでないため、万一、事故が起こったときには医薬品副作用被害救済制度の対象とならず、自己責任になる②接種後、鼻水や咳など軽い風邪症状が起きることがある③輸入ワクチンなので、予防できるインフルエンザワクチンの型が、日本で作られる不活化ワクチンの型と一部種類が違っていること④費用が医療機関により違っていて、おおむね8000円以上と高額なこと――などだ。
何より気になるのは、16年6月に米疾病予防管理センター(CDC)が推奨を取りやめたことだ。
「取り消し理由は、ワクチンの温度管理が適切ではなかったなどの要因により、2013/14シーズンからワクチン効果の低下を指摘され、予想された効果が得られなかったためとされています。ただ、昨シーズンは一定の効果が確認されたこと、英国やカナダなどでは、ずっと子供には有効と推奨の姿勢を崩していないことなどから、今年に入り米国のCDCは再度フルミストを推奨したのです」