安静時の「異常なし」は要注意 心電図検査の“盲点”を知る
「午前中は動悸がひどくて、胸も痛むんです」
高血圧と糖尿病で受診されている60代の男性はそうおっしゃいました。ところが、安静時12誘導心電図は案の定、正常。そこで欠かせないのが、ホルター心電図検査。手のひらサイズの携帯型心電計で、病院で胸に複数の電極をつけたまま帰宅し、24時間の心電図をチェックするものです。男性にもホルター心電計を装着してもらいました。
翌日、取り外して心電図を解析すると、翌朝は50分近くにわたって脈拍が上昇する頻脈が続いていました。放置すると危険なので、総合病院の循環器科に紹介。アブレーションというカテーテル治療で、その不整脈はよくなり、今は元気に生活されています。中高年の方の心電図検査は、異常なしほど要注意といっていいでしょう。
(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)