肺がん治療最前線 新たな新薬発売で選択肢は5つに増えた
3月1日、肺がんの新薬が発売された。肺がん治療の進歩は目覚ましいが、さらに治療の選択肢が増えたことになる。肺がん治療の最前線を聞いた。
新薬「ダコミチニブ(商品名ビジンプロ)」が承認されたのは、非小細胞肺がんⅣ期のうち、「EGFR遺伝子変異陽性」に対してだ。Ⅳ期ということは、手術不能または再発がんとなる。
肺がんは、非小細胞肺がんと小細胞肺がんに分かれる。非小細胞肺がんは遺伝子変異が原因となることが明らかになっており、どの遺伝子変異かによって治療が異なる。
EGFR遺伝子は非小細胞肺がんの遺伝子変異の中で最も多くを占める。
遺伝子検査でEGFR遺伝子変異が認められた非小細胞肺がんの場合、治療の第一選択肢は「EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(以下、EGFR―TKI)」の投与。
この薬のひとつが、ダコミチニブだ。
近畿大学医学部内科学教室腫瘍内科部門・中川和彦教授が言う。