著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

がん専門誌に論文掲載 花粉症はがんの予防になっている?

公開日: 更新日:

 花粉症は今や国民病といっていいくらい多くの人が苦しんでいる病気です。スギ花粉だけが原因であればそろそろ治まりますが、ヒノキの花粉症もあるとゴールデンウイーク過ぎまで症状は続きます。

 花粉症というのは花粉に対するアレルギー反応により起こる病気で、鼻水の症状はアレルギー性鼻炎と同じです。アレルギーが原因の病気には、鼻炎以外に喘息やアトピー性皮膚炎、じんましんなどがあります。

 そして、このアレルギーの病気は、世界的に増加しているのです。その原因は分かっていません。

 それでは、アレルギーと他の病気との間には、どのような関係があるのでしょうか? 鼻の粘膜が炎症を起こしていると、体の抵抗力が低下して、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなる、という報告もあります。

 その一方でがんとアレルギーとの関係については、がんを予防するというものから、がんになりやすくなるというものまで多くの意見があって、結論が出ていません。

 今年のがんの専門誌に、それについての興味深い論文が掲載されました。アメリカで10万人以上のがん患者を調査した結果では、アレルギー性鼻炎があると、のどのがんや食道がんなど、多くのがんが少なくなり、一方で喘息やじんましんには、あまりそうした効果がありませんでした。花粉症はひょっとしたら、がん予防になっているのかも知れません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…