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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

糖尿病の専門医が警鐘「健康にいいから食べる」の落とし穴

公開日: 更新日:

「○○○が体にいい」など、さまざまな“健康知識”がテレビや雑誌などで頻繁に取り上げられています。私が感じているのは、「何らかの生活習慣病を抱えている人が、今までの食生活に何かプラスして摂取することで、体がよくなることは基本的にはない」ということです。

 たとえば、こんな話もあります。血糖コントロールが良い状態を保っていた患者さんが、急にヘモグロビンA1cの数値が上がった。ヘモグロビンA1cは、過去1~2カ月の血糖値の変動を見る指標です。何か生活が変わることがあったのか聞いても、「特に変わったことはないんですけどね」と首をかしげる。何かを隠している様子もありません。

 そこで質問の仕方を変えて、日常生活で普段食べているものなどを一つ一つ聞いていくと、「テレビでヨーグルトがいいって言っていたので、食べ始めたんです!」とおっしゃるのです。

 ヨーグルトは各メーカーが研究をし、特有の乳酸菌を発見し、その研究結果を発表しています。確かに、それを見ると体によさそうだ。

 しかし、健康体の人は横に置いておいて、血糖値が高い、血圧が高い、中性脂肪が高い……といった人が食べ始めると、単純に考えて摂取カロリーが増える。糖質脂質などの摂取量も増える場合が多い。厄介なのは、「ヨーグルトがいい」という情報だけに飛びついて、それ以外に意識を回さず、気がつくと砂糖やジャムを加えて食べる人もいることです。

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