17年に現役引退…今浪隆博さんが甲状腺機能低下症を語る
でも、ドーピング検査に抵触するのではないかという心配や、試合に出場したい思いが強く、球団のかかりつけの病院へ紹介状を書いてもらってすぐに退院。そこで改めて診察を受け、チラーヂンという甲状腺ホルモン剤を処方してもらって自宅で休みました。
その後1週間ぐらいで薬が効いてきたので練習を再開し、3週間で一軍に復帰しました。僕はそのシーズン、年間100試合出場を目指していたんです。
正直、その頃もまだ深刻に捉えてはいませんでした。月1回、病院で血液検査を受け、処方された薬を毎朝食後に3錠飲むだけで体調は良かったですし、野球のほうも技術的にピークといえるほどで、「これから全盛期を迎えるんだ」と思っていましたから……。
そのままシーズンが終わり、12月と翌1月の自主トレも問題なくこなし、春季キャンプにも参加しました。ところが、2月後半からオープン戦が始まると、また体調が悪化しました。でも、病院で血液検査を受けても数値的には問題なしなんです。
休んだら体調は回復するので復帰し、成績はいいのにまた体調が悪くなり……その繰り返しが続きました。何とかしたいと別の病院を受診したり、メンタルトレーナーに相談してみたり、おはらいに行ってみたりもしました。でもどれも効果がなくて……。結局、「もうプロでやるのは厳しい」と諦めて、球団からの戦力外通告を受け入れ引退しました。