難治性うつ病・そううつ病の新治療 注目「rTMS療法」とは
■治療を終えた後も効果が持続
「rTMS療法は、うつ病と同様に双極性障害に対しても画期的な治療法だと考えています」
というのも、うつ病は治療薬が約20種類あるが、双極性障害は、日本うつ病学会のガイドラインで推奨されている薬は4種類で、承認されているのは、このうち2種類だけ。治療の選択肢が非常に少ないのだ。
「うつ症状とそう症状を繰り返す双極性障害は、うつ症状をどう解決するかが最大のポイント。なぜならうつ症状が良くならないケースが多く、双極性障害の患者さんは人生の半分をうつ状態で過ごすという研究結果が出ているからです」
rTMS療法は、薬は服用したまま受ける。これまで服用していた薬はうつ状態改善には効かないが、再発・再燃に関しては効果が期待できるからだ。
双極性障害を対象とした先進医療では、偽刺激を対照として、その有効性と安全性を検証する。
1ヘルツの頻度で右前頭前野を刺激。週5日、4週間続ける。1回の治療時間は約30分。
このrTMS療法は、統合失調症、脳卒中後のリハビリ、軽度認知障害、アルツハイマー型認知症などの治療にも効くのではないかと、研究が行われている。