膵がんへの移行も 前がん病変として気をつけたい2つの疾患

公開日: 更新日:

 今回は膵嚢胞性腫瘍のなかでもとくに膵がんへの移行が懸念される「膵管内乳頭粘液性腫瘍」(IPMN)と「神経内分泌腫瘍」(NET)についてお話しします。

 膵嚢胞性腫瘍とは膵臓の中や周囲にできるさまざまな袋状の腫瘍のことです。健康診断などで受ける腹部超音波検査やCT検査などで偶然見つかることが多いことで知られています。

 IPMNはそのひとつで膵管内にできたポリープからドロッとした粘液がたくさん作られます。そのせいで膵管が膨らむためお腹や背中が痛くなることがあります。最近は高い精度の画像診断が行われるようになり、自覚症状が出る前に見つかることが増えています。

 IPMNは通常の膵がんのように発見されたときにはすでに進行がんということはありません。さまざまな段階があり、良性から悪性に変化していくことが知られています。膵管外に浸潤すると通常の膵がんと同じ悪性度の高いがんになるとされています。

 IPMNは腫瘍が主に主膵管にある「主膵管型」と分枝にある「分枝型」、それに「混合型」の3種類あり、一般的に主膵管型で膵管の太さが太いところにあるほど悪性頻度が高いとされています。過去に膵嚢胞(径)が3センチのIPMNの発がん率は14%という報告もありました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動