芸能界で発症続出 脳卒中の明暗を分ける「3つの条件」とは
そう言う桑島氏は、朝の発症時刻に注目する。
「血圧は一日の中で変動していて、寝ている間に下がって起床して活動すると上昇します。ところが、高血圧の中には、夜間に下がらず高いままのタイプもある。特に11月は最低気温と最高気温の気温差が大きく、朝の寒さを感じると、血圧上昇のカーブが急になりやすい。三金さんが夜間の血圧が下がらないタイプで朝の気温が低かったとしたら、リスクが重なり、危ない。朝は、しっかり防寒してから外出することです。低温のストレスがよくありませんから」
発症前日の大阪は、最低気温13・1度、最高気温19・4度だったが、発症日の最低気温は前日より4度低い9度。前の日の最高気温との温度差は10度に上る。
■長嶋茂雄氏とオシム氏の違い
では、加山さんの“勝因”はなにか。桑島氏は、搬送先の病院で受けた点滴治療に着目してこう言った。
「加山さんが点滴で受けたのは、t―PAと呼ばれる血栓を溶かす治療だと思われます。この治療の適応は、発症から4時間半以内。その時間内なら、血流が完全に回復して、症状がすべて解消することもまれではありません。劇的な効果のある治療でも、モタモタしていると、その恩恵にあずかれないのです」