「子供の肥満」親の対策は? 脂肪肝や高尿酸値の子供もいる
「肥満症の子供に腹部エコーを行った経験では、脂肪肝は珍しくありません。これは、成人の深刻な脂肪肝である非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と同様の病気ですが、成人と肝臓の組織の特徴は異なります」
脂肪肝には、アルコールが主な原因のものと、肥満が原因のNAFLDがある。成人では、NAFLDは、アルコール性脂肪肝よりも肝炎、肝硬変、肝臓がんへと進むスピードが速いといわれているが、子供の脂肪肝は小児期には肝炎、肝硬変、肝臓がんと進んでいかない。
■できる方法を探すこと
しかし、子供の肥満症と肥満を放置していいかというと、そうではない。
「頚動脈エコーで動脈硬化の子供を私は見たことがありませんが、睡眠時無呼吸症候群や高尿酸値、糖尿病、高血圧の子供はいます。身体的問題がない肥満であっても、それが改善されない場合、肥満になる生活環境や味覚が固定化されてしまい、成人以降も肥満で、結果的に生活習慣病のリスクが高くなります」
研究で、はっきり証明されているわけではないものの、生活習慣病の発症年齢が20~30代と前倒しになる可能性もある。また、糖尿病は、網膜症、腎症、神経障害といった3大合併症のほか、認知症や胃がん、大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、腎臓がんなど、がんのリスクを上げることが研究で明らかになっている。子供の肥満が若い年代での糖尿病発症を招き、それががん発症へとつながっていくかもしれない。