新型コロナの「本当の致死率」はかなり低いのではないか?
新型コロナウイルス対策に大きな影響を与える数字は、「基本再生産数(R0)」と「致死率」だ。新型コロナウイルスのR0は季節性インフルエンザと同程度だが、致死率は数十倍も高いと考えられている。
実際、インフルエンザの致死率が0・1%に対して、新型コロナは2%程度とされる。感染力が同じくらいなのに新型コロナウイルスの流行に対して非常事態宣言を出している理由のひとつがここにある。だからこそ、各国は厳しい対応を続けているのである。
だがここにきて、肝心の致死率が大きく揺らぎ始めている。
注目は米国ニューヨーク州が住民3000人を対象に行った抗体検査。その結果が24日に出た。陽性率(いままでに新型コロナに感染した人の割合)が13・9%だった。これを同州の人口約1945万人に当てはめると、270万人がすでに感染していた計算になる。ところが、PCR検査で確認された感染者数はわずか26万人。感染者の、たった1割しか把握できていなかったことになる。また死亡数は1万5000人余り(致死率0・56%)。これはインフルエンザより高いが、新型コロナウイルスが未知のウイルスと恐れられた当初にいわれていた致死率の4分の1に過ぎない。