膵臓がん 切除は無理でも放射線の「術中照射」で無事に退院
「開腹してみないと分かりませんが、CT・MRIの画像では、がんは腹膜に広がってはいないし、肝臓に転移はなさそうです。開腹して、がんをできるだけ切除したいと思いますが、もし切除が困難な場合は、手術中にがんのところだけに放射線を当てる『術中照射』ということもできます。放射線が腸には当たらないようにして、1回で高線量が当てられます。この病院にはその設備があります」
また切除できた場合でもその後に行われる抗がん剤治療について、膵臓を切ることによる糖尿病の併発など1時間ほどかけて説明がありました。
Kさんは、F医師の丁寧な説明と自信がありそうな態度に、少し安心できて手術に同意しました。息子ががんのステージを聞くと、「Ⅲ期の可能性が高い」とのことでした。
結局、手術では、がんが腹腔動脈幹に浸潤していて切除は無理と判断され、放射線術中照射が行われました。
手術後、腹部の痛みは数日続きましたが、Kさんは無事に退院できました。その後、外来で抗がん剤治療が行われ、3年経過したいまも元気で過ごしています。