20~30代に多い 精液に血が混じるのは珍しいことではない
考えられる原因としては、精嚢または前立腺の「炎症」、座りすぎなどで起こるうっ血による「循環障害」です。他には精子輸送路(精巣、精巣上体、精管、精嚢、前立腺)の「腫瘍」「嚢胞」「結石」なども考えられます。
しかし、実際には検査しても異常が確認できない「特発性血精液症」と診断されることが多いです。
検査は、ペニスと精巣・精巣上体の視診や触診。前立腺・精嚢の直腸診(肛門から指を挿入して調べる検査)や超音波検査。尿検査や精液検査。尿検査で血尿を伴う場合には、膀胱や腎臓の超音波検査を行うこともあります。
中高年の患者さんは前立腺がんの有無を調べる腫瘍マーカー(PSA)の血液検査も行いますが、血精液症でがんが見つかる確率は高くはありません。
検査で精子輸送路に炎症が見つかれば、抗生物質や抗炎症薬で治療します。特発性と診断された場合には治療の必要はなく、経過観察をします。その後、他の症状が出れば再検査を行います。ただし、精嚢にたまった古い血液が消失するまで、1~2カ月かかる場合もあります。
また、最も気になるのは血が混じっている期間中、性交をしていいかどうかでしょう。もちろん炎症の原因が性感染症であれば、治るまで性交はできません。特発性ならパートナーに悪影響を及ぼすことはありません。