感染予防ではない?コロナ禍で日本人がマスクをする理由
コロナ禍において、マスクを着用することはマナーからルールになりつつあるように感じます。マスクは着用者が他の人に感染を広げないという点において有益です。しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた当初、欧米ではマスクの効果に対して懐疑的であり、その着用は必ずしも強いレベルで推奨されていませんでした。
他方、日本では新型コロナウイルスの感染報告があった当初からマスクを積極的に着用する人が多かったように思います。ドラッグストアからマスクの在庫が一斉になくなってしまったことは記憶に新しいでしょう。そんな中、日本人のマスクに対する認識を調査した研究論文が、心理学に関する国際誌に2020年8月4日付で掲載されました。
この研究は、1000人の日本人を対象としたアンケート調査の結果を解析したもので、アンケートは2020年3月26~31日の間にインターネット上で実施されました。
参加者は、新型コロナウイルス感染症にかかった場合に重症化すると思うか、マスクで感染を防ぐことができるか、感染者がマスクをすることで周囲に感染が広がることを防げるか、他人がマスクを着用していたら自分も着用すべきと感じるか、マスク着用で不安が和らぐか、感染を予防するためにできることは何でもすべきか、という質問に対して「全く思わない」「非常に思う」まで5段階で回答しています。