肺がん治療に新たな選択肢 2種の薬の組み合わせで余命が延びる
■薬が効きにくかったタイプにも効果的
しかし国際共同試験「RELAY試験」で、新たな治療選択肢が生まれた。それは、「ラムシルマブ」という抗VEGF剤と、「エルロチニブ」というEGFR―TKIを併用する治療法だ。
EGFR遺伝子変異陽性肺がんでは、新生血管が作られやすい。VEGFという血管内皮細胞増殖因子の発現が促されるからで、新生血管によってがんに栄養が送られ、がんが増殖する。
抗VEGF抗体薬は新生血管ができるのを抑制し、がんの増殖を阻害する。そしてEGFR―TKIとの併用で相乗的にがんの増殖をより抑制できることがRELAY試験で証明されたのだ。
「着目すべきは、EGFR―TKI単剤では効き目が悪かったL858Rに対しても、エクソン19欠失と同様、効き目がよかった点です」
ラムシルマブとエルロチニブ併用では、エクソン19欠失は19・6カ月、L858Rは19・4カ月とほぼ同じ結果。