コロナ重症化で精子に異常が…ICU入院男性は精子生存率が0%に
また、イランの研究では、コロナに感染した男性は健康な男性に比べて精子の数が少なく、濃度が低く、精子の運動能力が劣っており、形状異常の精子が多かったことも報告されている。
「コロナウイルスは細胞のACE2というタンパク質に結合して感染します。ACE2は精子が作られる精細管の細胞に分布しているので、精巣もコロナの標的となり、感染することで精巣組織に損傷を起こすことは想像できます」
精子の異常が見られる原因として、一つは発熱の影響が挙げられる。
「コロナに限らずおたふく風邪やインフルエンザなど発熱を伴う感染症にかかると、精子が減少することはよくあります」
イタリアの研究では、コロナ重症例ほど精液中の炎症時に分泌される物質サイトカインが多かった。それが精巣機能へダメージを与え、精子の数などに影響を及ぼしている可能性もある。
「ただし、精子は3カ月くらいで生まれ変わるので、回復後しばらくすると精子の数が元通りになるかもしれない。今後さらなる研究が必要。現段階では、コロナに感染しないように気をつけることが一番です」