著者のコラム一覧
奥田研爾横浜市立大学名誉教授

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

オリンピックが感染症の流行をつくり出すのはなぜですか?

公開日: 更新日:

 その後、日本でも帰国者の患者で数例、ジカウイルス感染症が報告された。

【Q】それでは、今回の五輪は開催可能か?

【A】「医学的な観点から考えれば、答えはノーです。東京を主とする現在の感染者数が1日100人以下にならないと、インド株・ベトナム株などが次々と伝播し、再感染が急増して、全国的に大きな負担を強いることになります。米国の雑誌『NEJM』でも、公衆衛生学者らが警告しています。東京における五輪の3密対策および現在の予防接種状態などでの現状は極めて不十分で危険だと指摘、特に柔道ボクシングレスリングラグビーなど選手同士が激突するようなスポーツは一方が陽性だと他人にうつす可能性が高いと強調しています」

【Q】7月23日までにどんな状況になれば開催が可能になるのか?

【A】「ジョンズ・ホプキンス大学では開催国の70%以上の人がワクチンを打ってから始めるべきだと提言しています。ところが現実には、国内でワクチンを2回接種したのは全体の5%以下。このペースでは開催時にワクチン2回終了の日本人は5分の1にも満たないでしょう。医者として五輪は中止すべきであると思います。特に検査やワクチンのしっかりしていない開発途上国の選手は、しっかりワクチンを接種したり検査したりしてから参加できるのか疑問。それに、スタッフも含めて、海外の人たち全員が非常に隔離された状態で半月ほど日本国内で生活をしてもらう覚悟がない限りは大変心配です。日本の逼迫する医療体制と非効率的な検査、追跡、隔離などを考えると、五輪後に新型コロナウイルス感染が再拡大する可能性が高い。東京、大阪などの医療体制が破綻しているところで治療に当たっている我々医師は憔悴しています」

【連載】新型コロナワクチンの疑問に答える

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ