著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

梅毒上陸と天才軍師・黒田官兵衛 死の直前は奇行が目立った

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 その中には有名な武将もいたと考えられます。その1人が、NHKの大河ドラマにもなった黒田官兵衛(1546~1604年)です。生涯無敗を誇った戦国武将は豊臣秀吉の天下取りを手助けした名軍師とされながら、その秀吉をして「黒田のカサ頭は気が許せぬ」と言わしめた才人です。キリシタン大名としても有名でした。

■治療薬を服用していた?

 その官兵衛はなぜ梅毒が疑われているのでしょうか? 官兵衛は若い頃、貿易港として栄えた堺を訪れており、ポルトガル出身のカソリック司祭であるルイス・フロイスが布教活動をしていた南蛮寺に立ち寄ったとも言われています。先に申し上げたように、梅毒は貿易と一緒に日本に上陸したと考えられるため、官兵衛が感染する可能性があったとしても不思議はありません。

 また官兵衛は、秀吉の軍師だった頃、敵方に寝返った荒木村重という武将を元に戻るよう説得しに行き、捕らえられて1年余り牢獄に幽閉されます。その時、今でいう骨髄炎・骨膜炎を患い、それ以降、膝が曲がったままだったとされています。実はこれも幽閉が原因でなく梅毒のせいではないかと疑われているのです。

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