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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

血液1滴でOKのがん検査 陽性ではセカンドオピニオンが不可欠

公開日: 更新日:

 国立がん研究センターのグループは、同センターに保管されていた5万3000人の血液を使って分析。その結果、日本人に多い13種類のがんについてマイクロRNAの変動パターンが分かっています。

 具体的には胃がん大腸がん食道がん、膵臓がん、肝臓がん、胆道がん、肺がん乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、神経膠腫、肉腫です。

 マイクロRNAを用いたがんの早期発見は、今年度中にも一部の人間ドックや健康診断に組み込まれる見込み。料金は、1回2万円前後とみられます。

 早期発見でかなり有望ですが、過剰診療の問題はあるでしょう。たとえば前立腺がんが見つかった場合です。前立腺がんで悪性度が低ければ、余命に影響しないことが珍しくありません。それなのに、すぐに手術を受けてしまうと、過剰診療の可能性があります。手術はEDのリスクが高いので、年齢によってはそのダメージが見逃せません。

 早期発見はうれしいことですが、がんの種類によっては慎重な対応が必要だということです。マイクロRNA検査でがんが見つかったら、外科ではなく、放射線科や腫瘍内科にセカンドオピニオンを求めることが大切になると思います。

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