重症化の犯人「サイトカインストーム」の仕組みと発生しやすい人
新型コロナウイルス感染症の重症化リスクが高いのは高齢者、糖尿病や慢性腎症など持病のある人、さらには肥満、喫煙、睡眠不足、精神的ストレスなど悪い生活習慣を持っている人だといわれる。
実際、30代に比べて65歳以上では重症化リスクは5倍、死亡リスクは90倍になるといわれている。2型糖尿病の重症化リスクは2.3倍である。なぜか? 新型コロナウイルス感染症の重症化は免疫の暴走によるサイトカインストームが一因で、こうした人はサイトカインストームを起こしやすいからだ。
そもそもサイトカインとは、細胞から分泌されるタンパク質を主成分とする物質のこと。細胞同士の情報を伝達し、免疫細胞を活性化したり、抑制したりする働きがある。
私たちの健康は侵入した外敵を排除するために免疫反応を促す炎症性サイトカインと、それが行き過ぎないよう抑制する抗炎症性サイトカインの程よいバランスによって保たれている。
ところが何かのキッカケで、そのバランスが崩れて炎症性サイトカインが過剰に分泌されると、次々に炎症反応が起こる場合がある。その結果、自分の細胞までもを傷つけてしまう。それがサイトカインストームだ。