著者のコラム一覧
葉山惟大日本大学医学部付属板橋病院皮膚科病棟医長/皮膚科専門医

繰り返す蕁麻疹の多くは原因不明 抗ヒスタミン薬で痒みを抑える

公開日: 更新日:

 蕁麻疹の痒みは、「マスト細胞」という細胞の活発化で起こります。このマスト細胞は夜になると活性化する傾向があります。そのため、A子さんは、夜中は痒みで眠れず、日中は寝不足のためボーッとしてしまって授業に集中できなくなってしまいました。

 体育系の部活の練習中も集中できないし、思うようなパフォーマンスも出せません。

 事実、慢性蕁麻疹により、昼間の集中力が6割程度に下がるというデータがありますから、A子さんの行動パターンは、慢性蕁麻疹の患者さんとして典型的なものです。

 慢性蕁麻疹の代表的な治療薬は抗ヒスタミン剤です。通常、蕁麻疹が出たら抗ヒスタミン剤を数回、服用するだけで十分な効果が得られるのですが、重症化した場合は、倍量まで処方したり、注射薬を併用することもあります。A子さんの場合は注射治療が効果的で効き目はすぐに表れました。

 ただ、この注射は保険適用でも月に約1.7万円と高額なため簡単には使えません。患者さんが未成年の場合は、保護者の同意が必要です。しかし、日中の集中力が下がってパフォーマンスも下がり、進学、就職にも影響することを想像してもらうと、その価値は計り知れないと思います。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」