台風シーズンの雨漏りカビが喘息・鼻炎・副鼻腔炎を悪化させる
「カビが引き起こす疾患として、まずは感染症が挙げられます。肺アスペルギルス症や肺クリプトコックス症などが知られますが、ただ、カビの感染症は免疫力が著しく低下した人に見られ、健康な人で発症することはまれ。一方、注意すべきはアレルギー疾患。カビは、アレルギー性鼻炎や喘息、蕁麻疹といったアレルギー疾患を悪化させる原因になるのです」
私たちの体には、異物が侵入してきた時、それらに対抗する「免疫」という仕組みが備わっている。
ところが、この免疫の仕組みが体に害を与えない物にも過剰に反応し、攻撃をしてしまうことがある。これがアレルギーで、その原因物質をアレルゲンという。
■カビ掃除には必ずマスクを着用する
カビは、花粉、ホコリ、ダニなどと並ぶ代表的なアレルゲンのひとつ。例えば、一般的な生活環境のどこでも繁殖するコウジカビは重症喘息の原因となる。雷雨の後に増加する傾向にあるクロカビは、若年の成人喘息の患者でクロカビにアレルギーを持っている場合、重症例が多いことが報告されている。高い湿度を好むススカビは喘息や鼻炎の原因となり、アレルギー性の副鼻腔炎も起こしやすい。