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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

他の型の人に輸血可能な「O型」は万能血液 血液中の抗体と輸血のパターンは?

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 O型は、抗A抗体と抗B抗体の両方を持っているため、O型以外の血液は輸血できません。しかしO型の赤血球にはA抗原もB抗原も存在しないため、他の血液型の人に輸血することができます。その意味で、O型は万能血液と言えます。

 しかし今の医療では、異なる血液型を輸血することは、原則として行われていません。理屈の上では問題なくても、実際には例外的な出来事がしばしば起こり得るからです。血液型を調べる時間的余裕すらないなど、よほどの緊急事態でない限り、O型の血液を他の血液型の人に輸血することはありません。

 ちなみに抗体は、外部から異物が侵入してきて初めて作られます。ところが抗A抗体や抗B抗体は、生後半年以内に自然にできてくるのです。その理由については諸説ありますが、腸内細菌の刺激によるものだとする仮説が有力視されています。細菌の中には、A抗原やB抗原とまったく同じ、ないしは非常によく似た糖鎖を有するものがいます。それらと共存していくうえで、自分の血液型とは異なる糖鎖に対する抗体が作られるというのです。

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