歯(下)虫歯が多い人に共通する「3つの悪食習慣」 3万人を治療した歯科医が教える
「血糖値スパイクを招く原因は、『早食い』と『炭水化物』です。約40年間で3万人以上の患者さんを診てきましたが、虫歯の患者さんの多くはラーメンや丼ものが好物です。どちらも炭水化物の塊のような食べ物で、なおかつ時間のとれないお昼に、かき込むようにして食べる。ブドウ糖が急激に流れ込みますから、当然、血糖値は急上昇します」
たとえ忙しい毎日であっても、食事のときは少し心を落ち着けて「ゆっくり食べる」ことが虫歯予防につながるのだ。虫歯になりやすい人には、もうひとつ特徴がある。「食べる回数」が多いという。朝昼晩と3食の食事が推奨されているが、3時のおやつや寝る前の夜食なども含めて「1日5食」という人も少なくないはずだ。
まず人類は、そもそも1日1食だったという。食べたり飲んだりするのに適している時間は、正午から夜8時までの間。食事はこの時間帯に1回だけ取るのが、ヒトという生き物の自然な姿だったという。それが近代になり、物質的に豊かになると食事回数がどんどん増え、血糖値スパイクも頻繁に起こり、虫歯も増えているというわけだ。