お酒を飲まない人の肝炎は「2型糖尿病」の低血糖リスクを上げる
韓国の延世大学の研究者は、韓国の国民健康保険制度に基づく健診データ、医療費請求データを用いた後方視的コホート研究(過去にさかのぼって確認する研究)を実施。
2009~12年に健診を受けた20歳以上の成人のうち、2型糖尿病と診断されている人において、NAFLDと重症低血糖との関連を検討したところ、脂肪肝指数(FLI)60の人は、30未満の人に比較して、肥満の有無にかかわらず、救急外来受診または入院を要する重症低血糖のリスクが高いとの結果でした。
これは、低血糖のリスクに影響を与える因子(年齢、性別、喫煙・飲酒・身体活動習慣、低血糖を起こしやすい糖尿病薬の使用、過去3年以内の重症低血糖の有無、高血圧・慢性腎臓病、心血管疾患の既往など)を調整した後の結果になります。
また、重症低血糖を起こした人はそうでない人と比べて、高齢で、BMIが低い低体重者で、女性の方が男性よりリスクが高いことも分かりました。
同じアジア人とはいえ、韓国人のデータが日本人にそのまま当てはまるとは言えないものの、重症低血糖は命にも関わる重篤な症状ですから、NAFLDの人は低血糖に、より注意をすべきことが初めて示唆されたと言えるでしょう。