著者のコラム一覧
西本真司西本クリニック院長

医師になって34年。手術室麻酔、日赤での緊急麻酔、集中治療室、疼痛外来経験後、1996年6月から麻酔科、内科のクリニックの院長に。これまでに約5万8000回のブロックを安全に施術。自身も潰瘍性大腸炎の激痛を治療で和らげた経験があり、痛み治療の重要性を実感している。

眠れぬほどひどい帯状疱疹後神経痛…注射治療により3カ月で回復

公開日: 更新日:

 また、帯状疱疹の厄介なところは、処置が遅れると、帯状疱疹後神経痛という後遺症が出ることです。まさにCさんが、そうでした。帯状疱疹そのものは治っているのですが、神経がウイルスに傷つけられ、痛みが長期間にわたって続きます。

 痛み止めの飲み薬ではなかなか改善しないケースも少なくありません。

 私はCさんの首、肩周辺の痛みに対処するため、星状神経節ブロック注射の処置を提案しました。交感神経節に麻酔薬を注射し、交感神経の過緊張を一時的にブロックする治療法です。

 症状によって保険が適用される場合とそうでない場合がありますが、帯状疱疹の疼痛には、回数の限度はありますが適用されます。

 Cさんは「とにかく痛みを止めたいから、可能なら毎日でもお願いしたい」と、最初の頃は1日おきに来院。途中で保険適用の回数の限度を超えてしまったものの、「自費治療でも構わないから痛みをとってほしい」と、それからも2~3日に1度の頻度で来院し、徐々に症状が改善していきました。

 来院時は「痛みのスケール」のVAS値が最高値の「10」だったのですが、3カ月後には「3」まで改善し、治療もその時点でいったん終了となりました。治療が年単位で続くこともある帯状疱疹後神経痛が、Cさんの場合、発症後約3カ月で、趣味のゴルフでコースを回れるところまで回復したのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…