認知症の前段階「軽度認知障害」の決定打となる兆候は?
日常生活では簡単な計算ができなくなります。これが「小銭が増える」原因で、買い物をした際に計算できないので、小銭ではなくお札で払うケースが増えるのです。また、1週間の間に2回以上同じ商品を購入していたら要注意。
スーパーに行った事実は覚えているけれど、何を買ったのかを忘れてしまうのです。
同じく、誰かに会ったことは覚えていても、誰に会ったのかを忘れてしまいます。
日常生活のルーティンでの異変もMCIのサインになります。
お風呂を沸かしてと頼まれて、自動湯沸かしボタンを押すことを忘れていたり、トイレから戻ってきたけれど水の流れる音がせずに用を足した気配がなかったり(別の部屋に入って用を足した気分になってしまう)、数回に1回の頻度で異変が起こります。
また、高血圧や糖尿病など持病がある患者さんは、血管性認知症を招くリスクが高いので、忘れっぽくなったなどの自覚があれば早めに診察することをお勧めします。
▽安成英輔(やすなり・えいすけ) 白金高輪駅前内科・糖尿病クリニック院長。岩手医科大学医学部卒業。順天堂大学医学部付属順天堂医院(内科・代謝内分泌内科)勤務などを経て、現職。日本糖尿病学会専門医、難病指定医、日本内科学会認定内科医など。