著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

説明不足の主治医に不信感 「できる治療があるなら」と願う患者に…

公開日: 更新日:

「痛みはありますか?」(私)

「そうですね。昨日はふらつきました、足に力が入らなくて。転んでしまって。逆にね、病院に通っていた時に体調悪くなって」(患者さん)

「通って大変になったんですね」(私)

 通院困難とのことでしたが、お話を伺ううちに伝わってきたのが、病院や主治医への不信感。通院する病院が、病状や余命に関しての明確なインフォームドコンセント(医師が説明し、患者さんの同意を得ること)を行わないとのこと。「受ける治療があればまだやってみたい」という意思をお持ちでしたので、セカンドオピニオンの受診をお勧めしました。

「なにか他の治療ができたらなと思っています」(患者)

「セカンドオピニオンしても変わらないことがあるかと思いますが、自分で納得ができるんじゃないかなと思いますよ」(私)

「そうですね、訳わかんないままここまできちゃってるから」(患者)

「いろんなところにがんも転移もされているようなので、この状況だと余命は3カ月くらいだと思います。在宅医療になればがんの治療は行わないことになりますから、もし治療をまだ希望されるのなら、セカンドオピニオンで最初行きたかった病院でお話を聞いた方がいいと思います」(私)

「本人もまだ頑張りたいって言っていますから」(奥さま)

 今後どういうふうに病気に向き合っていくのか。患者さんやご家族が納得することは、心を安らげる上でも大切です。特に患者さんとスクラムを組んで療養を行う在宅医療ではなおさら重要になってくるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した