説明不足の主治医に不信感 「できる治療があるなら」と願う患者に…
「痛みはありますか?」(私)
「そうですね。昨日はふらつきました、足に力が入らなくて。転んでしまって。逆にね、病院に通っていた時に体調悪くなって」(患者さん)
「通って大変になったんですね」(私)
通院困難とのことでしたが、お話を伺ううちに伝わってきたのが、病院や主治医への不信感。通院する病院が、病状や余命に関しての明確なインフォームドコンセント(医師が説明し、患者さんの同意を得ること)を行わないとのこと。「受ける治療があればまだやってみたい」という意思をお持ちでしたので、セカンドオピニオンの受診をお勧めしました。
「なにか他の治療ができたらなと思っています」(患者)
「セカンドオピニオンしても変わらないことがあるかと思いますが、自分で納得ができるんじゃないかなと思いますよ」(私)
「そうですね、訳わかんないままここまできちゃってるから」(患者)
「いろんなところにがんも転移もされているようなので、この状況だと余命は3カ月くらいだと思います。在宅医療になればがんの治療は行わないことになりますから、もし治療をまだ希望されるのなら、セカンドオピニオンで最初行きたかった病院でお話を聞いた方がいいと思います」(私)
「本人もまだ頑張りたいって言っていますから」(奥さま)
今後どういうふうに病気に向き合っていくのか。患者さんやご家族が納得することは、心を安らげる上でも大切です。特に患者さんとスクラムを組んで療養を行う在宅医療ではなおさら重要になってくるのです。